三重県熊野市の丸山地区にある「丸山千枚田」は、田んぼが折り重なり、日本一の棚田景観と言われています。
国の特別名勝・瀞峡へと続く県道40号線沿いの静かな山里にあり、1340枚という日本最大規模を誇る棚田の高低差は160メートルにも及びます。
季節ごとに大きく表情を変えるその美しさは、人々を惹きつけてやまず、1999年には“日本の棚田百選”にも選ばれています。
「なぜこんな山奥に壮大な棚田が?」と思うような奥深い土地にあるため、昔、落ち武者などが逃げ隠れ、潜んでいた時に徐々に開拓をしていったのではないかと言われているそうです。
春は田植え前の水をはった田んぼに映り込む水面、秋は黄金色の稲穂が風にさざめく姿など、四季折々美しい棚田ですが、特におすすめしたいのが、毎年初夏に行われる「虫おくり」です。
この行事は、昔は農薬もなく害虫による被害になすすべもなかったため、地域の子供たちがお寺に集まってお札をもらい、松明と太鼓などを手に千枚田の中を練り歩き、火と音と害虫を追い払うというものです。
千枚田に灯された松明はとても幻想的な光景で、多くの観光客やカメラマンで賑わいます。
平成初期には後継者不足などが原因で530枚まで減少してしまったのですが、この貴重な文化遺産を無くしてはならないと地元住民が「丸山千枚田保存会」を結成し、復元と保全活動を行っています。
復元した田んぼを利用した「丸山千枚田オーナー制度」もあります。
オーナーになると、昔ながらの手作業による田植えや稲刈りといったイベントに参加ができます。
また、イベントに参加出来ない方でも、稲刈り後は獲れたお米を送っていただけます。
この棚田をご覧に行かれる場合は、地元の皆様が丹精込めて手入れをし守り続ける美しい景観を守り続けるために、皆様もゴミの持ち帰りなど景観維持のご協力をお願いいたします。
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