福島県二本松市にある、日本百名山、安達太良山の麓にある「岳温泉」は、標高600メートルの高原に位置する温泉地です。
国民保養温泉地に指定され、自然に囲まれながらも、昔ながらの温泉街の風情も感じられます。
安達太良山の麓一帯はあだたら高原と呼ばれ、広大な酪農地帯では放牧されている牛たちを眺めることができ、安達太良山では野生のニホンリスに出会えることもあります。
岳温泉のお湯は、全国的にも珍しいph2.48の酸性泉です。
酸性泉は殺菌力が高く、慢性皮膚炎やアトピーなどに効果があり、酸性成分が肌の角質を溶かすことから、美容効果が高いことでも知られています。
温度70℃を超える源泉は、標高1500mの山麓にあり、約8㎞に渡って引き湯されており、これは全国でも一、二を争うほどの長さを誇ります。
山肌を伝う湯桶(ゆどい)を通り、約40分かけて温泉街まで湯を引いているので、管の中で自然に湯もみされた肌に優しい温泉になっています。
また、安達太良山からの8kmの引き湯をしているのが、「湯守(ゆもり)」の存在です。
湯守は源泉と引き湯に関わる全ての管理を任されており、標高1500m付近の源泉での作業から湯桶の管の修繕、登山道の整備まで、温泉を守る重要な役割を担っています。
その湯守たちが、夏は週に1回、冬は2週に一回、「湯花流し」という、湯桶に付着した湯花を流す作業を行います。
この作業を行うことで、ふだんは透明なお湯が温泉成分たっぷりの湯花で真白になり、この日のことを「ミルキーデイ」と読んでいます。
安達太良山へは、ロープウェイを利用すると約1時間半ほどで山頂まで登ることができるため、気軽にトレッキングも楽しめますので、登山をしたあと、温泉にゆったり浸かるのもおすすめです。
山に高原に、四季折々雄大な自然の景色を眺めることができる岳温泉を、ぜひ訪れてみませんか。
*敬称略
*写真と本文とは関係ありません
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