温泉は入浴だけでなく、飲むことができるということをご存じでしょうか?
温泉を飲むことを飲泉といい、ヨーロッパ諸国では古く、ギリシアローマ時代から飲泉の習慣があると言われています。
日本ではすべての温泉が飲泉に適しているわけではなく、都道府県が検査を行い「飲用許可」が出た温泉だけが飲めることになっています。
飲泉には、温泉が胃腸や肝臓などの局所に作用する効果と、入浴と同じように全身に作用する効果があります。
温泉にはそれぞれ多く含まれる成分により、泉質固有の「適応症」があります。
では入浴と飲泉の効果についてご説明していきます。
塩化物泉
皮膚に塩分が付着し、保湿保温効果があります。飲泉には、ナトリウムイオンが脳のホルモンを刺激し、女性ホルモンのエストロゲンを上昇させる効果がありますので、女性の更年期障害にも有効です。
炭酸水素塩泉
皮膚の角質を軟化する作用があり、肌を滑らかにすることから美肌の湯と言われています。飲泉には慢性胃炎や糖尿病などの効果があります。
二酸化炭素泉
炭酸ガスが皮膚から吸収され、気泡の刺激で血管が拡張し、血行がよくなり血圧を下げる効果があります。飲泉には慢性便秘や慢性消化器病に効果があります。
硫酸塩泉
血行をよくし、保温効果も大きく冷え性の改善や切り傷の治癒を促進します。
飲泉には、胆のうを収縮させ、腸のぜんどう運動を活発化させ、慢性消化器疾患や痛風、胆石症に有効です。
酸性泉
肌や目にしみる強い刺激のある泉質で、殺菌力が高く、アトピー性皮膚炎に効果があります。飲泉には、酸味がありますが、慢性便秘や慢性消化器疾患に有効です。
硫黄泉
硫化水素ガス特有の古い卵のような臭いがする泉質で、表皮の殺菌やアトピー性皮膚炎の原因物質を取り除く役割があります。飲泉には、慢性便秘、糖尿病、高コレステロール血症に効果があります。
入浴に加えて、飲泉可能な温泉で免疫力を高め、バランスのいい体づくりをしましょう。
なお、基礎疾患がある方は飲んではいけない場合もあるので、必ず宿の人に確認してみましょう。
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*敬称略
*写真と本文とは関係ありません
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