琉球の時代から脈々と受け継がれてきた琉球信仰の参拝の聖地「斎場御嶽(セーファウタキ)」をご存じですか?
御嶽とは、琉球王国(第二尚氏王朝)が制定した琉球の信仰(沖縄本島を中心に信仰されてきた多神教宗教)における聖域の総称のことをいいます。
数百とも数千ともいわれる沖縄の御嶽(うたき)のなかで最も格式が高く、琉球王国の祭祀の場だった斎場御嶽です。
琉球創世の神、アマミキヨが国始めにつくったといわれ、亜熱帯の植物が生い茂るなか、忽然と現れる巨石は圧巻で、場内はおごそかな空気が漂います。
御嶽内には6つのイビ(神域)があり、代わりに置かれている御門口の香炉に向かって祈る人の姿も見られます。
足を踏み入れると、鳥のさえずりと木々のざわめき、自然の声だけが響き渡り、神秘的な雰囲気に満ちた緑の空間が広がります。
巨大な岩が三角形を描く「三庫理(さんぐーい)」は、左側の岩と右側の岩がバランスを取っていることから、“安定の場所”といわれています。
三庫理を奥に進むと、左手に神の島・久高島を拝むことができます。
久高島は、琉球開闢(かいびゃく)の祖神、アマミキヨが天から降りて最初につくったといわれ、島の土地は神様からお借りしているものと考えられているため、現在でも私有が認められていません。
北部や集落の外など、多くの場所が聖域として大切に守られている島でもあります。
斎場御嶽は沖縄の聖地であるため、今なお沖縄の人々の信仰、生活、自然への敬いが受け継がれています。
御嶽には神社仏閣のような建物はなく、香炉が置かれた拝所(うがんじゅ)となっており、今も島の人たちの信仰の中心にあり神事が執り行われています。
日々の祈りを捧げる場所で、立ち入り禁止になっている御嶽も多いです。
観光で訪れる際は、常識ある行動をとるように心がけ、御嶽にあるものは、何ひとつ持ち帰ってはいけませんので注意してください。
沖縄最高の聖地でじっくりと琉球王国からの引き継がれてきたパワーを感じてみてはいかがでしょうか。
*敬称略
*写真と本文とは関係ありません
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