佐賀県嬉野(うれしの)温泉は、歴史が古く、和銅6(713)年偏纂の『肥前風土記』に「東の辺りに湯の泉ありて能く人の病を癒す」と書かれた伝統の湯処です。
嬉野は江戸時代には長崎街道の宿場町として栄え、文政9(1826)年にはシーボルトも訪れたそうで、嬉野温泉公衆浴場「シーボルトの湯」は大正ロマン風のゴシック建築物で、木造2階建て、約75平方メートル、オレンジ色の当時の洒落た姿を再現しています。
地名の由来はユニークで、その昔神功皇后が戦いの帰りにこの地に立ち寄り、川中に温泉が湧いており、白鶴が元気に飛びたっているのを発見。
その湯が負傷した兵士の傷を癒したのを喜んで「あな、うれしの」といったことからこの地名がついたそう。
伝統ある旅館も立ち並び、風情と歴史を感じさせる温泉街です。
温泉は、源泉温度85~90度、泉質はナトリウム炭酸水素塩・塩化物泉、リューマチや神経痛、皮膚病、飲むと胃腸病に効くと評判です。
湯ざわりもなめらかで、一度、その湯ざわりを味わうと、嬉野から離れなくなると言われるほどです。
湯あがりには、嬉野温泉特産のとろけるような温泉湯どうふがおすすめです。
また、嬉野温泉は、日本を代表するお茶の産地で、なだらかな丘一面に広がる茶畑も見事です。
春になると、茶畑の中に咲く一本桜「納戸料の百年桜」など魅力的な見どころも多数あります。
*敬称略
*写真と本文とは関係ありません
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