古代、京都の朝廷へ食料を献上する御食国(みけつくに)のひとつだった若狭。
日本海の海の幸が、福井の小浜から京都の大原を結ぶ若狭街道を通って運ばれていました。
若狭街道は海を持たない京都の人々が鮮魚を得るために不可欠な道であり、若狭から運ばれた物資の中で特に鯖が有名で鯖街道の別名があります。
若狭湾で獲れた鯖の腐敗を防ぐため塩でしめて、夜も寝ないで京都まで運ぶと、ちょうどよい味になっていたそうです。
この鯖街道の起点とされるいづみ町商店街には、「京は遠ても十八里」と書かれたプレートがあります。
その経由地として栄えた熊川宿は、江戸時代初期から中期にかけて特に発展。
200戸ほどの集落となり、今も100戸ほどがそのまま残ります。
熊川宿には、いまも町屋や土蔵が並び、昔ながらの面影が残る美しい町並みは、「海と都をつなぐ若狭の往来文化遺産群~御食国(みけつくに)若狭と鯖街道~」として日本遺産にも認定されています。
そして、鯖街道といえば、鯖ぐるめ!
鯖寿司や鯖ちらし、鯖サンドなど、鯖を使った魅力的な鯖ぐるめを食べられるお店がずらりと並んでいます。
昨年の3月8日「鯖の日」には、小浜市鯖街道ミュージアムもオープンしました。
鯖街道ミュージアムは、全国的にも珍しい「鯖」をテーマに小浜の歴史を紹介するミュージアムで、入館は無料です。
鯖街道の歴史を中心に、当時の貴重な資料や映像コーナーがあり、小浜の新しい観光スポットとなっています。
最近では、中性脂肪を減らし、健康に良いと話題の鯖ですが、鯖街道で鯖グルメを味わいに足を延ばしてみてはいかがでしょうか。
*敬称略
*写真と本文とは関係ありません
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